ダートの本場、米国勢が
馬場の違いで藻掻く。
日本馬の7勝1敗。
地の利を活かし
見せつけてきた一流ダートホースの
最高のパフォーマンス、砂上の死闘。
気鋭のライターが綴るJCダートの記憶。
万馬券取得の法則
クロフネ
無人の野を行く圧勝激の陰で・・・
学生時代からの悪友と介して
知り合ったポンちゃんという友人がいた。
ポンちゃんはもちろん相性で、
麻雀するとやたらにポンをすることから
つけられたらしい。
「泣きのポンちゃん」と呼ばれていたが、
当人は深光りした大きな黒目が
いつも微笑を湛えている、
男がみてもゾクリとするような
不思議な美顔の持ち主だった。
彼に競馬を教えたのが私である。
酒席でたまたま競馬談義になった時、
馬券を買ったことがないと
言うので面白半分に
競馬場に連れて行ったところ、
すっかりハマッてしまったのだ。
「勝つか負けるかはっきりしていて簡単」
との理由でポンちゃんは
もっぱら単勝勝負だったが、
相場眼が秀逸なのか
博才に秀でていたのか、
師匠?の私などアッと言う間に凌ぐ
馬券の才を発揮しはじめていた。
慧眼と洞察力には
しばしば唸らされたが、
ひとつ不思議なことがあった。
1枠と芦毛は絶対に買わないのだ。
このどちらかに当て
嵌まる馬でテッパンと
思われたときはケン(見)をする。
そのこだわりが徹底しているのが
不思議で私は何度か尋ねたことが
あったが、彼ははぐらかして答えない。
別の友人に聞くとポンちゃんは
学生時代対立していた
白ヘルメットの党派とだいぶ
やり合ったことがあったらしい。
「そういや麻雀でもパイパン(白)だけは
ポンしなかったな」
真偽の程はともかく、
そんな話を聞くと彼の澄んだ
黒目の裏に潜む深い哀しみと
闇を見たような気がしたものだ。
そんなポンちゃんが唯一例外的に
入れ込んだのがクロフネだった。
「芦毛なのにクロフネなんて、洒落てるよね」
とデビュー当初からせっせと
単勝馬券を買い続け、
勝っても負けても走りを
見るだけで嬉しそうに相好を崩していた。
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